iPASネットゼロ炭素計画管理師は台湾経済部の産業人材能力検定(iPAS)の一つで、経済部産業発展署が主催し、工業技術研究院が実施します。2024年(民国113年)の第1回初級から2026年(民国115年)8月の第2回中級まで、公式サイトの「過去の試験結果」には初級8回、中級2回の計10回の成績が公表されています。
本稿では2つの作業を行います。まず公式結果画像10枚を項目ごとに表に転記し、合格率(公式名称は「資格取得率」)、申込者数、2科目の合格割合と、数値を読む際の集計範囲の注意点を整理します。次に2026年(民国115年)公開の6試験、計300問を募集要項の評価内容コード別に分類し、実際の出題分野を確認したうえで、公式学習資料に沿った学習順序を示します。
2026年(民国115年)の第3回初級は11月7日実施、個人申込は9月22日正午12時締切です。
(本稿では民国年に西暦を併記します:113年=2024、114年=2025、115年=2026、116年=2027。)
一、結論から見る:10回の試験を示す4つの数値
4つの数値はいずれもiPAS公式サイトの結果画像に基づきます。「資格取得率」は公式用語で、一般の検索では合格率・通過率とも呼ばれます。本稿ではいずれも、その回の証書発行人数を受験者総数で割った同じ指標を指します。
受験準備に最も直接関わるのは3つ目の数値です。初級の2科目は「ネットゼロ炭素計画管理基礎概論」と「ネットゼロ炭素インベントリの規範・手続き概要」で、8回中7回で科目1の合格割合が科目2を下回りました。科目2は排出量計算や境界判断、科目1は国際イニシアチブ、政策、規格が中心ですが、過去の割合を見る限り科目1のほうが合格しやすいとはいえません。

二、ネットゼロ炭素計画管理師とは:初級と中級の違い
2026年度(民国115年度)の募集要項によると、能力検定は現在、初級と中級の2等級で、経済部が証書を発行します。要項では、iPASは2016年(民国105年)に開始され、企業の面接・採用に客観的な判断材料を提供し、学校や研修機関が産業ニーズに沿った講座を設計するよう促すことを目的としています。
試験科目・形式・時間
| 項目 | 初級 | 中級 |
|---|---|---|
| 科目1 | ネットゼロ炭素計画管理基礎概論 | 省エネ・炭素削減技術実務 |
| 科目2 | ネットゼロ炭素インベントリの規範・手続き概要 | 炭素管理制度実務 |
| 出題形式 | 各科目、単一選択式50問 | 各科目、単一選択・複数選択・状況設定問題の計50問 |
| 各科目の時間 | 75分 | 90分 |
| 試験方式 | コンピューター試験。台湾考選部が認める国家試験用電卓を持ち込み可能 | |
| 推奨受験者 | 大学3年次以上、または専門学校卒業後に関連実務経験1年 | 初級資格保有者、大学卒で関連経験2年、大学院卒で関連経験1年、または関連経験3年以上 |
| 受験料(通常料金) | 1科目1,200台湾ドル | 1科目1,500台湾ドル |
| 証書の有効期間 | 無期限 | 5年。更新には関連研修48時間以上(ネットゼロ関連業務1年につき8時間に換算可能) |
出典:2026年度(民国115年度)ネットゼロ炭素計画管理師能力検定要項(初級・中級)115.04版|Sustaihub整理
「推奨受験者」は受験資格ではありません。公式FAQでは年齢や事前研修の条件はなく、初級と中級の受験順序にも制限はないと明記されています。初級資格がなくても直接中級を受験できます。
受験料には各種割引があります。iPASに初めて申し込む人は初級1科目800台湾ドル、中級1,000台湾ドル。過去にいずれかのiPAS試験を完了した人、iPAS賛同制度・団体申込制度・経済部人材研修制度の対象者は、初級1科目600台湾ドル、中級700台湾ドルです。
資格取得のルートと成績の繰り越し
初級の取得条件には注意点があります。同時受験と別々の回での受験で基準が異なり、中級を含めて3つのルートがあります。

- 初級2科目の同時受験:平均70点以上かつ各科目60点以上で取得できます。科目1が65点、科目2が75点なら平均70点で条件を満たします。
- 同時受験ではない場合:各科目で70点以上が必要です。
- 中級:科目1・2ともに70点以上が必要で、平均点による判定はありません。
- 成績の繰り越し:単科70点以上は受験日から3年度有効です。要項の例では2026年(民国115年)3月21日の受験で、合格科目は2029年(民国118年)12月31日まで繰り越せます。
成績繰り越し制度の影響は公式結果画像にも見られ、第4節で取り上げます。
三、過去の合格率と申込者数
以下は10回の試験結果の全体です。公式画像から項目ごとに転記し、公表割合から人数を逆算して整合性を確認しました。
| 実施回 | 申込者数 | 受験者総数 | 証書発行数 | 資格取得率 | 科目1の合格割合 | 科目2の合格割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024年(民国113年)第1回初級 | 2,614 | 2,361 | 1,592 | 67.43% | 64.28% | 72.82% |
| 2024年(民国113年)第2回初級 | 6,159 | 5,556 | 2,961 | 53.29% | 46.43% | 55.70% |
| 2024年(民国113年)第3回初級 | 8,704 | 7,627 | 2,731 | 35.81% | 27.76% | 29.29% |
| 2025年(民国114年)第1回初級 | 5,078 | 4,364 | 1,470 | 33.68% | 19.63% | 42.45% |
| 2025年(民国114年)第2回初級 | 3,842 | 3,092 | 1,055 | 34.12% | 25.65% | 41.68% |
| 2025年(民国114年)第3回初級 | 4,886 | 3,884 | 1,245 | 32.05% | 22.46% | 36.39% |
| 2026年(民国115年)第1回初級 | 3,605 | 3,049 | 1,012 | 33.19% | 28.77% | 39.19% |
| 2026年(民国115年)第2回初級 | 2,579 | 2,157 | 1,214 | 56.28% | 71.00% | 41.59% |
| 2026年(民国115年)第1回中級 | 1,606 | 1,437 | 627 | 43.63% | 73.25% | 46.46% |
| 2026年(民国115年)第2回中級 | 1,373 | 1,158 | 607 | 52.42% | 48.38% | 69.87% |
出典:iPAS「過去の試験結果」公式画像(2026年9月14日取得、民国115年第2回中級は9月17日追加取得)|Sustaihub整理。証書発行数は同一回・複数回での取得を含む。中級科目1は省エネ・炭素削減技術実務、科目2は炭素管理制度実務。
申込者数:2024年(民国113年)第3回の8,704人をピークに減少

初級申込者数は2024年(民国113年)に3回連続で増え、第3回で8,704人に達した後に減少し、2026年(民国115年)第2回は2,579人でした。年度合計は、民国113年の3回で申込17,477人・証書7,284件、民国114年の3回で13,806人・3,770件、民国115年は現在2回で6,184人・2,226件です。
申込者数は各回で集計するため、同じ人が2回受ければ両方に数えられます。8回の合計37,467は「37,467人が受験した」という意味ではありません。一方、2026年度(民国115年度)要項では同じ等級の「重複取得不可」とされ、13,280件はおおむね13,280人の初級取得者に対応します。ただし2024年度(民国113年度)要項の授与部分にはこの記載がなく、初期も同じだったかは公式資料では確認できません。
2026年(民国115年)から中級が加わり、第1回の申込者は1,606人でした。初級の申込減少と中級開始の関連を判断できる情報は公式資料になく、本稿では推測しません。
取得率を読む前に:分母は2025年(民国114年)に変更
初級取得率の最高と最低には35.38パーセントポイントの差があります。ただし年度間比較の前に、結果画像の小さな注記「今回の受験者総数」の計算方法を確認する必要があります。

- 2024年(民国113年)の3画像:「申込科目数にかかわらず1科目でも受験すれば集計。2科目申込で1科目だけ受験した場合も含む」。
- 2025年(民国114年)の3画像:「2科目申込・両科目受験+複数回での取得者数」。
- 2026年(民国115年)の4画像はレイアウトが変更され、計算方法が記載されていません。
資格取得率=証書発行人数÷受験者総数です。分母が変わったため、民国113年と114年の取得率は同じ基準で計算されていません。一方、単科の合格割合は「その科目の合格者数÷受験者数」です。本稿で各画像を逆算すると10枚ともこの計算に一致したため、各回の難易度比較にはこちらを用います。
「ネットゼロ炭素計画管理師の合格率」を紹介する際は、「2026年(民国115年)第2回初級の資格取得率56.28%(公式結果画像)」のように実施回と集計基準を併記することをお勧めします。割合だけでは、どの試験で分母をどう計算したか判断できません。

四、2科目の難易度は同じではない
8回中7回で科目1の合格割合が科目2より低い

初級8回の2科目の合格割合を比較すると:
- 科目1「ネットゼロ炭素計画管理基礎概論」は7回で科目2を下回りました。最大差は2025年(民国114年)第1回で、科目1が19.63%、科目2が42.45%、差は22.82パーセントポイント。その回の科目1平均点は59.02点でした。
- 2024年(民国113年)第3回から2026年(民国115年)第1回まで5回連続で、科目1の合格割合は30%未満でした(27.76%、19.63%、25.65%、22.46%、28.77%)。
- 8回合計では科目1の受験者の34.53%、科目2の42.75%が合格しました(同一人の複数受験を含むため全体傾向の参考値)。
科目1の範囲はCOPの経緯、国際イニシアチブ、CBAM、台湾2050年ネットゼロへの道筋、ISO 14068-1カーボンニュートラル規格です。第6節で具体例を示しますが、政策目標値、閾値、統計数値を問う問題もあります。
2026年(民国115年)第2回:科目1の合格割合71.00%
2026年(民国115年)8月15日の第2回初級は例外でした。科目1は平均73.54点、合格割合71.00%と8回中最高。科目2は41.59%で過去数回と近い値です。資格取得率56.28%は、2024年(民国113年)第1回の67.43%に次ぐ高さでした。
1回だけの変化は問題の難易度、受験者構成などによる可能性がありますが、公式な理由説明はありません。「民国115年第2回は科目1が簡単だった」ことを傾向と捉えず、科目1にも十分な準備時間を確保すべきです。
複数回の受験による取得者は0人から216人へ
結果画像では証書発行を「今回の受験で取得」と「複数回の受験で取得」に分けています。後者は繰り越した成績と今回合格した科目を合わせて資格を得た人です。
複数回での取得者は2024年(民国113年)第1回の0人から2026年(民国115年)第2回の216人へ増え、その回の証書発行1,214人の17.79%を占めました。初回には繰り越し成績がないため0人ですが、その後は毎回、以前の単科成績を使う取得者がいます。
受験者にとって、「今回は1科目だけ合格」でも次の道があります。合格科目は3年度有効で、次回もう1科目だけを受けて70点に達すれば取得できます。ただし別々の回では平均点方式が使えず、再受験科目自体で70点が必要です。
五、中級2回の試験:資格取得率43.63%と52.42%
中級は2026年(民国115年)に始まり、4月11日の第1回、8月22日の第2回が実施済みです。両回の結果が公表され、627+607=1,234人が中級資格を取得しています。
| 項目 | 2026年(民国115年)第1回中級 | 2026年(民国115年)第2回中級 |
|---|---|---|
| 申込者数/延べ科目申込数 | 1,606人/延べ3,209件 | 1,373人/延べ2,421件 |
| 受験者総数 | 1,437 | 1,158 |
| 証書発行(同一回+複数回) | 627(627+0) | 607(367+240) |
| 資格取得率 | 43.63% | 52.42% |
| 科目1 省エネ・炭素削減技術実務 | 受験1,439人、合格1,054人 合格割合73.25%、平均74.68点 | 受験897人、合格434人 合格割合48.38%、平均68.08点 |
| 科目2 炭素管理制度実務 | 受験1,440人、合格669人 合格割合46.46%、平均66.94点 | 受験1,135人、合格793人 合格割合69.87%、平均73.19点 |
出典:iPAS「過去の試験結果」2026年(民国115年)第1・2回中級の結果画像(第2回は2026年9月15日公表、9月17日取得)|Sustaihub整理
中級2回の結果には、受験準備で注目したい3点があります。
- 難しい科目は2回で逆転しています。第1回は科目1が73.25%、科目2が46.46%でしたが、第2回は科目1が48.38%、科目2が69.87%で、差は21.49パーセントポイントです。2回分だけでは一貫してどちらが難しいか判断できず、両科目とも70点を目指して準備する必要があります。
- 複数回での取得者は240人。第2回中級の607件のうち、240人が繰り越し成績と今回の合格科目を組み合わせ、39.54%を占めます。2科目の申込者数も科目1が1,081人、科目2が1,340人と異なり、延べ2,421件は1,373人の2倍未満で、一部は1科目だけに申し込んでいます。
- 取得率は43.63%から52.42%へ上昇。第2回には複数回での取得者240人が含まれ、第1回とは受験者構成が異なります。公式な理由説明はなく、この変化をそのまま試験の易化と解釈すべきではありません。
中級は平均点方式ではなく、両科目とも70点が必要です。科目1は削減目標と道筋、省エネ技術と投資効果、再エネとグリーン電力調達、科目2は台湾の気候法規、IFRS・GRIなどの開示制度、自主削減とオフセット、スコープ3算定とサプライチェーン管理を扱います。第6節で第1回の出題分布を示します。2026年9月17日時点では、第2回中級の問題は公式学習資料ページに未掲載です。
六、出題傾向:2026年(民国115年)公開300問の主題分布
過去問の公式入手先はiPASサイト「学習資料」の「過去の試験問題」です。現在、2026年(民国115年)の初級第1・2回各2科目と中級第1回2科目の6試験が公開され、各50問に参考解答が付いています。以下は300問を要項の「評価内容」コード別に分類した結果です。
主題分類はSustaihubが要項の評価内容コードに基づき各問を読み解いた本稿独自の整理で、公式分類ではありません。公式の主題別配点も未公表です。複数主題にまたがる問題は主な1つに分類しました。標本は2026年(民国115年)の6試験のみで、次回の分布は異なる可能性があります。

初級科目1:国際イニシアチブ、台湾ネットゼロの道筋、CBAMが最多
L112「ネットゼロ炭素管理基礎概論」が70問、L111「極端気象に対する国際対応の経緯と動向」が30問です。すべて単一選択式で、本稿の判定では実計算を要する問題はありません。
具体的な観察結果:
- 国際イニシアチブ(L11201)が22問で最多で、SBTi、RE100、TCFD、CDP、GRI、SASB、IFRS S1・S2が対象です。SBTiの中小企業定義、RE100の参加条件など、各イニシアチブの違いや具体的な基準がよく問われます。
- CBAM両回各6問で、申告時期、免除基準、証書、排出量計算原則を扱います。問題冒頭には、参考解答は試験公告時の法規に基づくと記載されています。CBAMの閾値と日程はEUの最新発表と照合してください。背景は〈【2026年最新】EU CBAM本格運用開始:台湾の輸出企業が国際競争力を維持するには?〉。
- COP両回ともCOP28の問題が出ています。2026年(民国115年)第1回はグローバル・ストックテイク決議の2030年再エネ設備容量の数値目標(参考解答は現状の3倍)、第2回は「エネルギー転換の加速」の具体的行動を問いました。COP29、COP30、パリ協定第6条も出題されています。背景は〈COP30、NDC 3.0からCBAMまで:企業は炭素転換にどう対応し、実行可能なネットゼロの道筋を描くか?〉。
- ISO 14068-1両回それぞれ5~6問です。2026年(民国115年)第1回の第46~50問は5問連続でISO 14068-1を扱い、宣言内容、削減とオフセットの優先順位、範囲設定が問われました。
- 炭素資産取引(L11204)は10問で、炭素クレジットの追加性、社内炭素価格、台湾炭素取引所の機能を含みます。国際炭素市場の現状は〈炭素取引と炭素クレジット!国際市場の5大動向|2025 ICAP ETS Report〉。
- 台湾のエネルギーデータ:2026年(民国115年)第1回には経済部のエネルギー統計便覧を引用し、台湾の2024年電源構成で最大の発電方式やエネルギー自給率の範囲を問う問題がありました。こうした問題は公式統計の具体的数値を覚える必要があります。
初級科目2:定量計算と境界設定
組織の温室効果ガスインベントリ(L121)が60問、製品カーボンフットプリント(L122)が40問です。100問の約3分の1は企業の状況設定から始まり、実計算が必要と判定した問題は6問でした。
- 定量計算(L12103)が21問で最多です。「活動量×排出係数」の基本計算が中心で、2026年(民国115年)第1回では電力10,000kWhと軽油1,000リットルの係数を用いてカテゴリー1・2の排出量を分ける問題、冷媒漏洩や浄化槽のメタンをGWPで換算する問題がありました。計算だけでなく発熱量(低位・高位の換算)や係数法に必要なデータも問われます。係数の年度と使い方は〈2025年度(民国114年度)の電力排出係数0.467を公表:排出量の連年減少とエネルギー転換の成果を解説〉。
- 境界設定(L12102)は13問で、経営支配力、財務支配力、出資比率の各アプローチが出題されています。2026年(民国115年)第2回では4件の排出データのうち、第三者に賃貸し独立運営される倉庫の電力を、経営支配力基準で除外するか判断し、カテゴリー1・2を合計する問題がありました(本稿では定量計算に分類しましたが境界判断も問います)。方法の違いは〈カーボンインベントリの境界設定はどう選ぶ?支配力・出資比率アプローチを解説〉。
- インベントリ一覧と報告書(L12104)は14問で、除外項目の開示、基準年再計算の状況、報告書の必要章を含みます。重要な排出の判断は〈カーボンインベントリの「重要性評価」はどう行う?企業の持続可能な発展へのガイド〉。
- 台湾法規の具体的規定も出題されます。両回とも排出量の小数桁数が問われ、「温室効果ガス排出量インベントリ登録・検証管理規則」(全国法規データベース)第4条は排出量をトンCO2換算で表し、小数第3位まで四捨五入すると定めています。第14条の算定・登録・検証資料の6年保存も、2026年(民国115年)第2回に出題されました。
中級:12問の計算問題と問題群
中級は両科目とも単一選択28問、複数選択10問、問題群12問です。要項では「状況設定問題」、公開問題では「問題群」と表記され、企業の状況説明に続いて2~4問が出ます。各科目に4つの問題群があります。
| 科目 | 評価主題(問題数) | 最多の評価内容 | 計算問題 |
|---|---|---|---|
| 省エネ・炭素削減技術実務 | L211 組織の省エネ・炭素削減戦略(15) L212 省エネ技術とエネルギー管理(18) L213 再生可能エネルギーとグリーン電力導入(17) | L21303 グリーン電力の調達方式と制度(9問) | 12問 |
| 炭素管理制度実務 | L221 炭素関連規範と開示基準(23) L222 組織の自主削減(12) L223 持続可能なサプライチェーン管理(15) | L22101 台湾の気候政策と削減法規(9問) | 12問 |
出典:iPAS公開の2026年(民国115年)第1回中級2科目|Sustaihubの独自分類。計算問題数は実際の計算を要すると本稿で判断した数
中級は各50問中12問が計算を要し、初級より割合が高くなっています。例は次のとおりです。
- 省エネ・炭素削減技術実務:単純回収期間、照明更新による年間電気料金削減、ISO 50001のエネルギーパフォーマンス指標(EnPI)の目標電力使用量、年間削減経路に沿った排出上限。年間電力2,000万kWh、使用量成長率2.3%の企業を題材に、RE20の月間グリーン電力調達量、電力購入契約と省エネ工事の費用比較、自家消費太陽光の回収年数を連続して問う問題群もあります。
- 炭素管理制度実務:自主削減計画の削減率、SBTiの年率換算削減率、サプライヤーへの削減目標配分、炭素費用と削減クレジット控除。年間175,000トン排出の製造業が1トン100台湾ドルの優遇料率を適用される設定で、控除なし、台湾国内の自主削減クレジット控除、海外クレジット控除の各納付額を計算します。解答には「炭素費用徴収規則」(全国法規データベース)の規定を知る必要があります。第5条は年間排出量からK値25,000トン(炭素リーケージ高リスク事業は0)を引き、排出量調整係数を掛ける式を定めます。第6条では高リスク以外の係数を1、第9条では国内自主削減事業クレジットの控除比率を1.2、上限を課金対象排出量の10%とします。自主削減計画と優遇料率の背景は〈自主削減計画の作り方:炭素費用を300台湾ドルから50台湾ドルへ下げる2026年申請ガイド〉。
- 開示制度:IFRSサステナビリティ開示基準の導入時期、GRI 3のマテリアルな項目、SASBの財務マテリアリティ、TNFDの自然関連依存・物理的リスク・機会(第45~47問の連続3問)。IFRSへの移行は〈2026年最新IFRSサステナビリティ開示基準FAQを徹底解説|S1・S2、移行日程、スコープ3、内部統制〉。

2024年(民国113年)版と2026年(民国115年)版で評価内容はどう変わったか
評価範囲は固定ではありません。2024年度(民国113年度)の初級要項113.01版と、2026年度(民国115年度)の115.04版を比較した主な違いは以下のとおりです(一部の項目名の軽微な変更は省略)。
| コード | 2024年(民国113年)版(113.01) | 2026年(民国115年)版(115.04) |
|---|---|---|
| L11104 | 該当項目なし | 世界の主要な脱炭素動向と政策手段 |
| L11201 | 主要国際イニシアチブの内容(CDP、SBTi、RE100、GRIユニバーサル・スタンダードなど) | 主要国際イニシアチブの概要と要点(CDP、SBTi、RE100、GRI、SASB、TCFD、IFRSなど) |
| L11205 | PAS 2060カーボンニュートラル実施規格 | ISO 14068-1カーボンニュートラル規格 |
| L11202 | 国際炭素税・国境調整政策(EU CBAM、米国CCAなど) | 国際炭素税・国境調整政策(CBAMなど) |
| L12104 | 該当項目なし | 温室効果ガス排出インベントリ一覧と報告書の作成 |
| L12205 | 該当項目なし | 活動量の収集、排出係数の取得、製品排出量の計算と結果の解釈 |
| L12202/L12204 | L12202製品工程図とシステム境界、L12204ライフサイクルアセスメントの概念紹介 | L12202ライフサイクルアセスメント(LCA)の概念、L12204製品工程図とシステム境界(両コードを入れ替え) |
出典:2024年度(民国113年度)ネットゼロ炭素計画管理師能力検定要項(初級、113.01版)(国立高雄科技大学サイト転載版で、現行iPASサイトの原本ではありません)、2026年度(民国115年度)要項(初級・中級、115.04版)|Sustaihub整理。2025年度(民国114年度)版は公式サイトにないため、変更年は特定できません。
2026年(民国115年)の初級2回では、新設3項目が計28問(L11104が3問、L12104が14問、L12205が11問)、ISO 14068-1に変更されたカーボンニュートラル規格が11問でした。コードの交換にも注意が必要で、LCAは113年版のL12204から115年版のL12202へ、工程図は逆になりました。113年以前のノートや講座資料を使う場合は、最新要項の評価内容・コードと照合してください。
七、学習のポイント:公式資料に沿った学習順序
公式FAQは、まず要項の評価主題・内容を参照し、公式サイト「学習資料」の学習ガイドやサンプル問題を活用するよう勧めています。以下はこれらに基づいて本稿で整理した学習順序です。
-
1要項の評価内容表を目次にする
初級18項目、中級20項目について、要点を説明できるか確認します。第6節の分布は優先順位の参考になりますが、2026年(民国115年)の6試験だけに基づきます。 -
2公式学習ガイドを読む
初級2科目は114.04版、中級2科目は115.02版です。中級には公式の正誤表もあるため、併せて確認してください。 -
3時間を測って公開問題を解く
初級は75分50問で1問平均1.5分、中級は90分50問で平均1.8分です。解答後は誤答を評価内容コードに対応させ、弱点を確認します。 -
4法規と数値は公式原文で照合する
公式サイトにはISO 14064-1、ISO 14067、ISO 14068-1、台湾環境部(Ministry of Environment)の温室効果ガス算定指針、気候変動対応法、炭素費用徴収規則、企業のカーボンニュートラル宣言指針など参考文献32件があります。解答は試験当時の法規に基づくため、過去問では改正の有無を確認してください。 -
5電卓で計算問題を練習する
考選部が認める国家試験用電卓を持ち込めます。型番を同部サイトで事前確認してください。初級は排出量換算とGWP、中級は回収期間、グリーン電力調達量、炭素費用とクレジット控除を練習します。
過去データでは多くの回で科目1の合格割合が低くなっています。2科目同時受験なら学習時間の配分で考慮できます。同時受験には「平均70点、各科目60点以上」の条件もあり、一方がやや弱くても取得の可能性があります。
公式説明のもう一つの要点は、iPASが「試験と研修の分離」を採用していることです。試験実施機関は研修を開講せず、民間機関との共同講座もないとFAQに明記されています。民間講座の適否は自分で判断する必要があります。

八、2026年(民国115年)第3回初級のスケジュール
| 項目 | 2026年(民国115年)第3回初級 |
|---|---|
| 団体申込 | 7月9日~9月21日正午12時 |
| 個人申込 | 7月9日~9月22日正午12時(オンライン) |
| 試験通知 | 試験10日前から受験者サービスページで確認。iPASは受験票を発行しません |
| 試験日 | 11月7日(土):科目1 09:00~10:15、科目2 10:45~12:00 |
| 試験地区 | 台北、新北一区、新北二区、台北・新北共通、桃園、新竹、台中、雲林、台南、高雄、金門、澎湖 |
| 成績発表 | 11月25日(公式サイト最新情報を優先) |
| 成績再確認 | 発表日から2日以内にオンライン申請 |
| 証書発送 | 2027年(民国116年)1月15日から順次発送 |
出典:2026年度(民国115年度)要項(初級・中級)115.04版の重要日程、公式試験情報・FAQ|実施機関は日程を変更する権利を留保し、公式発表を優先
初級は各回5,000人を上限とし、定員に達すると締め切ります。締切後の追加申込、日程・地区・科目変更はできず、FAQには延期制度もないとあります。2026年9月17日時点で掲載は民国115年の日程のみで、民国116年の試験日は未公表です。
九、試験後に向けて:資格試験の判断とインベントリ実務の隔たり
初級能力指標の一つは「温室効果ガスの種類を理解し、排出源の活動量データを収集でき、データ品質の判断と内部検証の方法を把握し、社内排出状況を基礎的に把握できること」です。
試験は単一選択で、排出量は小数第3位まで、資料は6年保存、経営支配力基準では第三者に貸した倉庫を除外するといった規則の理解を確認します。企業実務では、活動量ごとの原票、係数の公表機関・年度・文書名、排出源の除外理由を記録し、検証機関のサンプル確認時に計算過程を再現できることが求められます。規格と方法の違いは〈企業のカーボンインベントリはどれを選ぶ?ISO 14064とGHG Protocolの比較・活用ガイド〉。
資格取得は経済部の能力検定に合格したことを示します。実際のインベントリ・炭素管理で資料が使えるか判断するには、「基準に合うか、出典を追えるか、責任を明確にできるか、検証に耐えるか」の4問から始められます。具体的な問いを記事末尾にまとめました。
- 基準に合うか?ISO 14064-1:2018、環境部の算定指針、顧客指定の方法のどれに準拠し、境界設定方法を明記しているか?
- 出典を追えるか?活動量ごとに原票へ戻れ、係数の公表機関・年度・文書名を記録しているか?
- 責任を明確にできるか?データ提供部署、再確認の担当者、更新頻度は明確か?
- 検証に耐えるか?検証機関のサンプル確認時に、計算過程と証拠を同じ場所で再現できるか?
4問すべてに答えられてこそ検証に耐えられます。答えられない項目が、次に補うべき点です。
SustaihubのDCarbonは、活動量、排出係数、添付証拠、インベントリ報告を一つの業務フローにまとめ、拠点に分散したデータを追跡・検証可能な資料に整理します。
DCarbonの活動量・証拠資料管理を見る →よくある質問 FAQ
Q1. iPASネットゼロ炭素計画管理師の合格率は?
公式名称は「資格取得率」で、証書発行人数÷受験者総数です。初級8回では32.05%(2025年・民国114年第3回)~67.43%(2024年・民国113年第1回)、直近の2026年(民国115年)第2回は56.28%。中級は43.63%(民国115年第1回)と52.42%(第2回)です。受験者総数の計算法は2025年(民国114年)に変更されたため、年度間比較は単科合格割合をお勧めします。
Q2. 初級に合格していなくても直接中級を受験できますか?
できます。公式FAQでは初級・中級は独立した試験で、受験・合格の順序制限はありません。要項の「推奨受験者」は学習背景の目安で、受験資格ではありません。
Q3. 1科目だけ合格した場合、成績はいつまで有効ですか?
単科70点以上は受験日から3年度有効です。2026年(民国115年)に受験した場合、2029年(民国118年)12月31日まで繰り越せます。その間に他方の科目で70点に達すれば取得できますが、別の回の受験では平均点方式がなく、再受験科目自体で70点が必要です。
Q4. 過去問はどこでダウンロードできますか?
公式サイトの「学習資料」に「過去の試験問題」があります。2026年9月17日時点で民国115年の初級第1・2回各2科目、中級第1回2科目の計6試験と参考解答が公開されています。解答は当該試験公告時の法規に基づくと冒頭にあるため、復習時は改正の有無を確認してください。
Q5. 電卓は持ち込めますか?
はい。考選部認定の国家試験用電卓を持ち込めます。型番は同部「国家試験用電卓措置」ページで確認してください。携帯電話、ウェアラブル端末、書籍、紙、飲料水、食品は持ち込めません。
Q6. 資格の有効期間は?
初級は無期限で更新不要です。中級は5年で、満了前3か月以内に更新申請します。取得後5年ごとに関連研修を合計48時間以上受ける必要があり、ネットゼロ関連業務の経験1年は研修8時間に換算できます。
Q7. 受験料はいくらですか?
2026年度(民国115年度)要項の通常料金は初級1科目1,200台湾ドル、中級1,500台湾ドルです。初めてiPASに申し込む人は初級800台湾ドル、中級1,000台湾ドル。過去にiPAS試験を完了した人と、賛同制度・団体申込制度・経済部人材研修制度の対象者は初級600台湾ドル、中級700台湾ドルです。
Q8. 公式指定の研修講座はありますか?
ありません。iPASは「試験と研修の分離」を採用し、試験実施機関は研修を開講せず、民間との共同開講もありません。公式には要項の評価主題・内容を参照し、学習ガイドやサンプル問題を活用する方法が勧められています。
Q9. AIでまとめた試験ノートの解答は出典を追えますか?
各解答を要項の評価内容、ガイドのページ、法規の条文など公式原文に対応させられるかを確認します。小数桁数、保存年数、炭素費用の控除量など数値・閾値のある数問を抽出し、全国法規データベースや公式文書と逐語的に照合してください。対応しない解答は旧法規や誤った要約に由来する可能性があります。公式試験は当時の法規に基づくため、そのまま暗記すると誤答につながりかねません。
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公式出典
- iPAS経済部産業人材能力検定:ネットゼロ炭素計画管理師 過去の試験結果:2024年(民国113年)第1回~2026年(民国115年)第2回初級、民国115年第1・2回中級の計10回の画像。本稿の表・グラフはここから項目ごとに転記
- iPAS経済部産業人材能力検定:ネットゼロ炭素計画管理師 試験情報:2026年(民国115年)初級・中級の日程、科目、地区、資格取得条件
- 2026年度(民国115年度)ネットゼロ炭素計画管理師能力検定要項(初級・中級)115.04版:主催は経済部産業発展署、実施は工業技術研究院。重要日程、評価主題・内容、受験料、資格授与・成績繰り越し規定
- iPAS経済部産業人材能力検定:ネットゼロ炭素計画管理師 学習資料:初級・中級の学習ガイド、中級正誤表、2026年(民国115年)公開問題6試験、参考文献32件
- 全国法規データベース:温室効果ガス排出量インベントリ登録・検証管理規則:第4条は小数第3位までの排出量計算、第14条は6年保存(2025年・民国114年12月19日改正)
- 全国法規データベース:炭素費用徴収規則:第5条は課金対象排出量とK値、第6条は調整係数、第9条は国内クレジットの控除比率・上限(2026年・民国115年9月1日改正)
- iPAS経済部産業人材能力検定:ネットゼロ炭素計画管理師 FAQ:試験と研修の分離、初級を経ずに中級受験、成績繰り越し、証書発送などの公式説明
本稿の試験数値はiPAS「過去の試験結果」公式画像(2026年9月14日取得、民国115年第2回中級は9月17日追加取得)から逐項転記し、公表割合から人数を逆算して照合しました。規定は民国115年度要項(115.04版)、公式試験情報・FAQを引用。民国113年の評価主題は初級要項113.01版によります。公式サイト改修後に旧版が掲載されていないため、国立高雄科技大学の転載原本を使用しました。民国115年公開300問の主題分布はSustaihubの独自分類で、公式分類ではなく主題別配点も未公表です。申込者数の合計は各回の合計で、同一人の複数申込を含みます。日程・締切・料金は公式サイトの最新発表を優先してください。民国年と西暦の対応は113年=2024、114年=2025、115年=2026、116年=2027、118年=2029です。
